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子供の股関節痛(単純性股関節炎)
単純性股関節炎とは?
単純性股関節炎は、小児に多く見られる股関節痛の主な原因です。通常3歳から10歳の間に発生し、男の子に多く見られます。原因は完全には明らかになっていませんが、外傷、感染、アレルギーなどが関与するとされています。
ほとんどの場合、レントゲン検査では骨に異常は見られませんが、超音波検査で股関節に関節液の貯留が確認されることがあります。多くの場合、1~2週間の安静で症状は改善しますが、痛みが続く場合はペルテス病や化膿性股関節炎との鑑別のためにさらなる検査が必要になります。
単純性股関節炎の主な症状
- 股関節の痛みが主な症状
- 痛みはふとももや膝にまで及ぶことがある
- 患部の足を着けずに歩行困難になることがある
- 微熱
- 風邪の症状
など
単純性股関節炎の原因
単純性股関節炎は、小児が急に股関節の痛みを訴える場合に疑われます。この症状は一過性の滑膜炎であり、急性の股関節痛を引き起こします。風邪などのウイルス感染後に発症することがありますが、詳細な原因は明らかになっていません。
単純性股関節炎の治療
単純性股関節炎の基本治療は安静を保つことです。特に股関節の安静を意識し、必要に応じて松葉杖を使用して荷重を避けることが推奨されます。また、消炎鎮痛剤を用いて患部の炎症を抑える治療が行われます。症状が1~2週間で改善しない場合は、精密検査を検討します。
子供の成長痛
成長痛とは?
成長痛は、成長期にある子供たちが経験する下肢の痛みを指す用語です。これは、幼児期から思春期にかけての子供たちに見られる足の痛みに対して広く使われています。しばしば、運動を頻繁に行う子供たちに起こるスポーツ障害、例えば膝のオスグッド病や踵のシーバー病なども「成長痛」と表現されることがありますが、これらのスポーツ障害と成長痛は必ずしも同一ではありません。
成長痛の主な症状
- 夕方から夜間、特に寝ている間や朝方に痛みを訴えることが多い
- 痛みは常時あるわけではなく、月に1~2回、週に1~2回など不定期に発生
- 子供が遊んでいる時や学校、幼稚園では痛みの訴えが少なく、痛みは一過性で数時間以内に治まることが一般的
- 痛む部位には腫れや圧痛、関節の運動制限などの炎症症状は見られない
- レントゲン検査を行っても、特に異常が見当たらないことが多い
など
成長痛の原因
「成長痛」と呼ばれていますが、骨の成長が直接的な痛みの原因であるという医学的根拠はありません。そのため、成長痛の具体的な原因は現在も不明です。
どのくらいの年齢に起こりやすい?
成長痛は、主に3歳から12歳の子供たちに見られます。特に3歳から5歳の間は「一次成長痛」として足の痛みが頻繁に現れる時期とされています。世界的に見て、子供の10~20%が成長痛を経験し、オーストラリアでの調査では4~6歳の子供の約37%に成長痛が認められたという報告もあります。
痛む箇所・期間は?
成長痛は主に下肢に発生しますが、最も一般的なのは膝の痛みです。その他にもふくらはぎ、すね、足の関節、太ももなどが痛むことがあります。痛みの発生場所は一定ではなく、時によって異なることが多いです。
また、痛みを感じる期間は数ヶ月から、場合によっては数年に及ぶこともあります。
成長痛への対処方法
成長痛に対して特定の治療法は存在しませんが、成長痛は実際の痛みであり、仮病ではないことを理解し、共感することが大切です。
なので、子供が安心感を得られるような対応が効果的です。例えば、優しくマッサージをする、湿布を貼る、部位を温めるまたは冷やす、特に幼児の場合は抱っこするなどが挙げられます。
また、子供のストレスを減らすための生活を心がけることが重要です。日常生活でのストレスの軽減が、成長痛の症状を和らげることに役立つ場合があります。